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凝り性なB型管理人のつぶやき

☆記載内容に関して☆ 管理人一人で管理してます、記載内容は全て、管理人個人の見解と思い付き、よって個人主観の塊です、初めてお越しの方は、カテゴリーから『始めにお読み下さい』を、見ていただくと嬉しく思います。

自転車のベアリングの話 その3

前回は、準備工程
球の大きさを何故ゆえ測って分けるか?疑問も有ると思います。
保持器無しで組みつけると18個の球を使います。

バラバラの大きさの球よりできるだけ同じサイズの方が良いに決まってます。
そこで下記のように振り分けました、使用はAのみ、A+B、Bのみ、B+C、Cのみの比較的均等な5グループの使いが可能です。
A:3.960~3.959
B:3.958~3.957
C:3.956~3.955

たとえば3.955ばかりの中に3.960が3~5個入ったと仮定しましょう
組み立て時、コーンを締め込み、カップに球が当たります、その時大きいのから当然当たります、他はまだ隙間(わずかですが)が有る状態です、この差をなくしたいからです。
この隙間が曲者で、レースを傷め、スグにガタが来る>締める他の球がやっと当たる、しかしその頃、レースにはわずかですが、フレアーが出来ている可能性が高いです、やっと働き出した球を今度はレースが痛めます、よって、寿命が短くなる、これを防ぐには、初期プリロードを上げる、粘度の高いグリスが必要と思う、よって回転が重いとなるかと思います。

さて、これから分解です。
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ヘックスレンチでハブシャフトの片方のエンドを緩めます、続いてコーンレース押さえのロックボルトを緩め取ります、コーンコッターの摺り割りにマイクロドライバーのマイナスを指して、勘合を緩めます。

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コーンコッターを抜き、コーンを抜き上げます、これで反対側にハブ中空シャフトを抜きます、ダストシールをハブの溝から外して、球とご対面です。

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純正品は、樹脂の保持器に球がスナップで嵌っています、球の大きさからしても保持器との接触面積の大きさはかなりあります、球を摘んで回すと摺動抵抗はかなり感じます。隣の写真はハブからすべて抜いた状態です。

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レースと球の当たり(軌跡を確認)を見て健康状態のチェック
ハブ側は全周に渡って均一な幅で当たった跡と、目立つフレアーも有りません。
軸側の状態は・・・・回すと良くわかりますが、ハブ側とほぼ同等な幅で当りがありますが、徐々に細くなり右側の写真のような少し輝きも無くなった薄くなったような跡があります、これは固定側のレース特有の軌跡です。
賢明な方ならお分かりかと思いますが、ハブ側と同等の状態部分が自転車の下方向に向いていた部分です。
よって右側の写真は上部に向いていた部分、この軌跡からしてもよい状態だったと推測できます。
組み付け時のプリロードが強すぎた場合、弱すぎた場合でこの右側の写真の軌跡が変わります。

洗浄の後、余分な油分が無いか、傷の状態を確認後組み立てです。
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保持器無しで組む場合は非常に困難です、通常はカップにグリスを塗りこみ、其処に球を並べ、コーンを挿入します、写真でもわかると思いますが、一切油分は使わずドライで、組んでいます。

ここから、ケミカル処理です。
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ドライヤーで、45~50℃程度まで温めます、テフロンを添加した、ベアリングオイルを薄く付けながら、ハブシャフトを回します、充分に行き渡るように・・・・
ここで、温めるのは、テフロンを反応させて定着をよくするためです(キュアリングとも言います)

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テフロンの次は、グリスですが私はセラミックグリスが好きです、ベースはシリコングリスで非常に粘度も低く最低限の保持性能を持っています、当然シリコン系ですの防水性はあります。
模型じゃないですが、タミヤのセラミックグリスが好きです。

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最後のフリクションロスの軽減・・・・
ダストシールのコーン側のリップをカッターで取り除きます、組み付けするとわずかですが軸側に隙間が出来ます、球が見えていると思いますが、これで完成です。

この後、最後のプレロード調整、少しずつ締め込みながら回転の重さを利きます、締めては緩めを繰り返しコーンの納まりを出します。
この調整が終わったら、自転車に装着して、慣らし走行、その後回転の状態を確認しながら、再度調整、ベストの状態を出して、レースに使います。
レース終了後は当然分解整備をしますので、このような方法で充分かと思っています。

当然、ハブシャフトを指で弾くだけで、軸の慣性で回るようになったのは言うまでもありません。
さぁ、ここまで手間をかけてどれほどの効率アップになったのでしょう、やはり、オーナーのシャフトを回した時の反応を見ていると、やはり気力のアップになった方が大きいような気がしてなりません。
サァ、次はリヤも同じように整備します。

さて残すは、ボトムブラケットのベアリングは残っています?どう調理しようか思案中です。
ハブのベアリング談は今回でとりあえず一段落、進展あったらまた忘備録として記事を載せます。
期待せず、待っていてください。

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